子どもの熱中症対策。小児科医 ふらいと先生と我が子を暑さから守る技術を語る

子どもの熱中症対策。小児科医 ふらいと先生と我が子を暑さから守る技術を語る

TBSドラマ『コウノドリ』に取材協力医師として参加した、新生児科医・小児科医のふらいと先生(今西洋介氏)と「子供の熱中症対策」についてお話ししました。

(本記事はふらいと先生のニュースレター『子どもの熱中症対策。ベビーカー クールシート「エアラブ」担当者と我が子を暑さから守る技術を語る』を転載・一部編集しています。)

 

エアラブ販売担当:POLEDは韓国のプレミアム育児用品ブランドです。元々は大手企業の現代自動車の社内ベンチャーから立ち上がった会社です。チャイルドシートを開発し始め、今では日韓で70万個売れている「airluv(エアラブ)」シリーズを販売しております。

エアラブは、Poledの代表がチャイルドシートに子どもを乗せて背中が汗びっしょりになってしまい「大人用のシートはファン付きの涼しいシートがあるのに、どうしてチャイルドシートには風通しの悪いものしかないのか」という疑問から生まれた製品です。

ふらいと先生、本日はよろしくお願いいたします。

 

熱中症のよくある誤解

エアラブ販売担当:「エアラブ」はお子様の暑さ対策製品のため、暑い季節にとくに需要があります。まず、暑い季節に気をつけるべき「熱中症」とはどういうものなのか、周知のところもありますが改めて先生から伺いたいです。

 

ふらいと先生:熱中症は気温が高い場所などで、人間の体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、そういったことが原因で起こる症状のことです。めまいや頭痛などの軽症もあれば、意識がなくなったり痙攣を起こすなどの重症まで、全部熱中症といいます。

一つの要因だけではなく、身体の状態と環境状態が重なったときに起こりやすいといわれています。身体の状態でいえば、炎天下で激しい運動するなど。環境状態というのは気温や湿度が高かったり、あるいは日差しが強かったりとか。

例えば、日差しがあり気温が高い日に寝不足だったり、そういったことが重なると熱中症が起こるといわれています。

よくある誤解なのですが、熱中症は炎天下で運動しているときに起こるというイメージがあると思いますが、例えば浴室やトイレ、寝室など、風通しが悪い場所でも熱中症は起こります。

熱中症はⅠ度〜Ⅲ度の3段階にわかれています。命の危険のある、意識障害とか痙攣が起こる症状だとⅢ度。頭痛や嘔吐はⅡ度。それより軽症だとⅠ度に分類されます。

子どもの熱中症で見逃しちゃいけないサインは、めまいとか大量の発汗とか、いわゆる軽症に分類されるⅠ度やⅡ度の熱中症です。大量に汗をかいていたり立ちくらみが起こっているということは、ちゃんと血液がめぐっていない証拠です。そういったことは軽症の段階で起こります。親や学校の先生がその症状を見逃してしまい対策しないでいると、Ⅱ度、Ⅲ度と悪化します。

Ⅲ度の症状が熱中症だと理解されている方は多いですが、実はその前段階で気分が悪くなったり、大量に汗をかいたりとか、軽症とはいえ熱中症が始まっていると知ってもらいたいです。軽症の段階で涼しい環境で休んだり、水分補給をきちんと行うことで、Ⅲ度まで悪化することを防げます。

 

エアラブ販売担当:赤ちゃんの場合、どういった熱中症サインに気をつけていればいいとお考えでしょうか?

 

ふらいと先生:赤ちゃんは言葉で症状を訴えることができないので注意が必要です。一番多い症状としては、普段よりぐったりしていることが多いと思います。1歳6ヶ月まである大泉門という頭の上の骨がない部分が窪んだりもします。

赤ちゃんが泣いたりしているうちは親も気づきやすいのですが、おとなしい状態こそ注意が必要です。呼びかけにも応じなくなったり、ぐったりしているかもしれません。

赤ちゃんは大人より身体に占める水分量が多く、水分が失われると一気に脱水になりやすいのです。

 

ファン付きクールシート airluv(エアラブ)とは?

ふらいと先生:御社製品の「エアラブ」についてもご紹介いただけますか?

 

エアラブ販売担当:エアラブはベビーカーやチャイルドシートに敷くファン付シートで、足元の裏側に空気を吸うためのファンがついています。シートについている23個のエアホールからやさしい風が出るという仕組みになっております。

現在、日韓合わせて累計70万個以上販売実績がありまして、今はエアラブ4というシリーズが最新のプロダクトになっております。

シートから出てくる風はシート内部にある23個のエアホールから排出されていて、人間工学に基づき配置されています。首はあまり冷やし過ぎないようにエアホールを大きくし柔らかい風が出るように。逆に汗が溜まりやすい箇所には小さめのホールで風量を強くするといった次第です。

扇風機のように、過度に強い風を赤ちゃんの体に直接吹き付けると体温を低下させる可能性があるため、適度な体温を維持できるように最適な風の強さで開発されてます。

多くのチャイルドシートやベビーカーで使えるようになっており、非常に日本でも人気が出ている商品になります。

 

子どもを暑さから守るのに効果はある?

ふらいと先生:ありがとうございます。私も娘がベビーカーを使うシーンもあるので使ってみたいと思っています。

先ほど熱中症では身体の状態と環境状態を考える必要があると言いましたが、外出しているとき日差しから子どもを守る場所としてベビーカーがあると思うので、そのベビーカーに涼しくする効果があるといいのかなと思いました。

また、局所を涼しくするのではなく、背中〜お尻にかけて、涼しくする面積が大きいというのも本人も気持ちいいだろうし良いと思います。

 

エアラブ販売担当:実際に使っていただいたお客様には、ベビーカーに乗せた赤ちゃんが汗をかきにくくなったとか、お昼寝をよくしてくれるようになったというお声もいただいております。

 

ふらいと先生:そうですね、大量の汗をかくというのも先程申し上げた熱中症のⅠ度だとすれば、御社製品を使うことで汗をかきにくくなったのであれば、それを一定防げているということなのではないかなと思います。

日本の暑さというのは気温だけでなくやはり「湿度」も結構大きいのではないかと思いますが、高温多湿の東アジアに住む我々の環境においてはとくに、エアラブを使うことは一定効果はあるのではないでしょうか。

 

エアラブ販売担当:実は、温度が一定以上高い場所で使うと、扇風機のように赤ちゃんの体温をむしろ上げてしまうのでは?という不安の声も聞くのですが、こちらはどう解釈されますか??

 

ふらいと先生:米国の小児科学会でも、やはりファンというのは空気自体を冷却するわけじゃないというのはよく知られています。華氏90度以上(摂氏でおよそ32.2度)以上の環境下では、扇風機のような直接風があたるファンは体温をむしろ高めてしまう可能性があるので使用しないようにと言われています。

#1. AAP. Exterme Extreme Heat: Tips to Keep Kids Safe When Temperatures Soar.healthy children.org (2024/7/10 最終閲覧)

一方で、御社製品のように直接ファンを当てるのではなく、背面全体に空気を通すような形式の場合は危険だと断定できるエビデンスは見つかりませんでした。反対に確実に安全だというエビデンスもまだ出ていないんですが、日本のような湿度の高い国では、密着面やベビーカー内部の空気を循環させることに使えるということなので、一つの選択肢だと思います。

 

エアラブ販売担当:日本の夏は40度を超える日もあると思うのですが、そういった環境下での弊社製品「エアラブ」の利用についてどう思われますか?

 

ふらいと先生:まず前提としてお出かけを控えていただきたいのですが、40度以上になってくると、密着面の温度や子どもがどういう服装をしているか?など、エアラブ以外の要因によって全然状況は異なるのかなと思います。

直接風を当てる扇風機などはよくないですが、空気を循環させるという形であれば一定効果はあるのかもしれません。今後エビデンスが出てくるといいですね。

 

エアラブ販売担当:ありがとうございます。お客さまからは猛暑でもエアラブが無いよりはあったほうが、汗のかき具合が変わり涼しそうにしてくれているといった嬉しいお声をいただいており、赤ちゃんにとって良い環境を作れているのではないかと考えております。

 

子どもを暑さから守れないNG行動とは

ふらいと先生:厳しい暑さの場合、エアラブ使う使わない以前に、水分補給を怠らないということが大事です。3〜4ヶ月の赤ちゃんはお茶や水より母乳を飲んだ方がいいとも言われています。こまめに水分補給をしてください。

また薄着をするための服装も大事です。吸収性の高い素材などは、汗を蒸発させる効果を最大限にして体温を冷やす効果が期待できます。あとは休憩を取ったりも大事です。

車の中で子どもを置き去りにするのも絶対NGです。ちょっと10分放置するだけで、40度以上など子どもの命が危険な温度になったりもします。

 

ふらいと先生:せっかくなので「ふらいと先生のニュースレター」の読者の方々になにか一言ございますか?

 

エアラブ販売担当:今日は大変勉強になりました。気温が高すぎるときは外出自体を控えたり先生がおっしゃっていた注意点をお守りいただければなと思います。しかしこの暑い夏、外出が必要なシーンではぜひエアラブをご活用ください。

猛暑日でなくとも、ベビーカーの子どもの位置は地面に近く、大人が気づかないうちに意外と暑くなってたりもするので、エアラブをご利用いただくなど対策いただければ幸いです。

しかしエアラブがあれば必ず熱中症にならないとは断言できません。

暑い日のお出かけには、便利なアイテムを使いつつも、必ずパパママがお子様の体調を確認し適切な対応をとるようにお願いいたします。

 

※本記事は、Poled(ポレッド)の日本総代理店であるコマースメディア株式会社と theLetter (株式会社OutNow)と「ふらいと先生のニュースレター」の認知拡大を目的とした共同企画・コラボレーションです。三者間で金銭的なやり取りや製品自体のギフティング等は一切ございません。

 

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