赤ちゃんの沐浴はいつからいつまでするの?
赤ちゃんの沐浴は、生後初めての日から始まり、幼児期に入るまでの大切な日課です。この期間は、赤ちゃんの成長と発達、そして親子の絆を深めるための貴重な時間となります。
生後5日目から沐浴をするドライテクニックとは?
ドライテクニックとは、産まれながらに赤ちゃんの体についてくる胎脂(たいし)を、できるだけ拭き取らずに、あえて大切に、自然な状態にしておく保清方法です。胎脂は、赤ちゃんの皮膚を細菌から守り、保湿と保温の効果があります。生後5日目までをドライテクニックとした方が、皮膚の健常性を維持できるという下記結果もございます。
参照:大分県立看護科学大学リポジトリ|早期新生児期における皮膚の保清方法と健常性に関する研究
ただし、赤ちゃんの状態や病院の方針によっては、生後1日目から沐浴を開始する場合もあります。重要なのは、赤ちゃんの安全と健康を優先し、適切なケア方法を選択することです。
沐浴はいつまでするの?
1ヶ月の検診でお医者さんが大人と同じお風呂に入ることが安全かどうかを判断します。多くの場合、1ヶ月検診で問題がなければ、パパとママが赤ちゃんと一緒にお風呂に入ることができます。
沐浴の入れ方・手順は?
沐浴前に準備するアイテム
- ベビーバス:赤ちゃん専用の小さな浴槽
- 沐浴布:入浴中の赤ちゃんの身体を包みます。
- ガーゼ:顔を洗う際や泡を流す際に役立ちます。
- 顔専用の洗面器:清潔なお湯で顔を洗うために、別の洗面器を用意しましょう。
- ベビーソープ・せっけん:赤ちゃんの敏感な肌に適した、優しい成分のものを選びます。
- バスタオル:沐浴後に赤ちゃんの体をふくために使用します。
- 着替え・おむつ:(下から着替え⇒オムツ⇒タオルの順番に組んでおきましょう)
- ベビー綿棒:赤ちゃんの耳や鼻のケアに使います。
- 消毒液:必要に応じて、へその緒の消毒に使用します。
- 湯温計:赤ちゃんに適した温度を確認するために使います。
- 保湿剤:沐浴後の保湿に、赤ちゃん用の製品を使用します。
- 体温計:沐浴前に赤ちゃんの体温を確認するために使用します。
沐浴時の服装は、動きやすく、濡れても問題ないものを選びましょう。また、赤ちゃんを傷つけないように、指輪や時計をはずし、爪を短く切っておくことが大切です。湯冷めしないように室温は、冬期には20〜25℃程度、夏期には外気より4〜5℃低いぐらいにし、エアコンの風が赤ちゃんに直接あたらないようにしましょう。
ベビーバスにお湯を準備します
新生児は環境に合わせた体温調整がまだ苦手なので、のぼせやすく湯冷めしやすいので注意が必要です。ベビーバスに入れるお湯の温度は37度から39度にすると赤ちゃんがリラックスした状態でお風呂にはいれるので理想的です。お湯の温度は、湯温計を使って確認するのが確実です。湯温計がない場合は、指先では温度を感じ取りにくいため、肘でお湯の温度を確認し、ベビーバスのお湯の量は1/2から2/3のお湯を入れるようにしましょう。
参照:厚生労働科学研究成果データベース|銭湯における温熱効果の予防医学的意義に関する研究
沐浴布をかけて赤ちゃんをベビーバスに入れる
赤ちゃんをベビーバスに入れる時は沐浴布をかけてからいれましょう。沐浴布を使う事により、赤ちゃんが裸でも安心してベビーバスに入ることができます。
顔を拭く
赤ちゃんの顔を拭くときは、まず顔専用の洗面器に入れたぬるま湯にガーゼを浸します。そして、顔全体を拭く前に、目のケアから始めましょう。
- 目の拭き方: めやにがある場合はそれを取り除き、目尻から目頭に向かって優しく拭きます。
- 顔の拭き方: 額から始めて、鼻のわきに向かってガーゼを動かし、「3の字」を描くように顔全体を拭きます。
顔を拭く際は、1回ごとにガーゼをすすぎ、清潔な状態で顔を拭き続けることが大切です。これにより、赤ちゃんのデリケートな肌を守りつつ、衛生的に保つことができます。
頭を手で洗います。
赤ちゃんの頭を洗うときは、石鹸を使って優しく泡立て、手のひら全体で洗います。その後、ガーゼを使って石鹸をしっかりと洗い流し、再びガーゼで頭の水分を優しく拭き取りましょう。
体の前側を洗います
首→わきの下→手と腕→胸→おなか→足の順など洗いやすい順番で洗います。首や脇の下、足の付け根、ひざの裏側などくびれが多く皮膚の重なっているところは丁寧に洗いましょう。
体の前側が終わったら背中とおしりを洗います
赤ちゃんの首の後ろを左手で優しく支えます。次に、赤ちゃんのあごを腕にのせ右手を赤ちゃんの脇の下に慎重に入れ、両手を使ってゆっくりと赤ちゃんをうつ伏せの姿勢にします。このとき、赤ちゃんに刺激を与えないように急な動作は避けましょう。
赤ちゃんをうつ伏せにしたら、石鹸の泡を使って背中とおしりを丁寧に洗います。
注意!
- 顔がお湯につかないように: 赤ちゃんをうつ伏せにする際は、顔がお湯につからないよう特に注意してください。安全性を確保するためにも、赤ちゃんの顔が常に水面より上になるようにしましょう。
- おしりは丁寧に洗おう: うんちやおしっこで汚れがちなおしりは、特に丁寧に洗う必要があります。汚れをしっかりと落とすために、石鹸で優しく、念入りに洗い、その後しっかりとすすぎましょう
バスタオルでくるんで軽くおさえるように水分をふき取ります
バスタオルで水分を拭き取る際には、肌を傷つけないように軽くおさえるようにふき取りましょう。
オムツをかるくあて、着替えの両手をすぐに着せる
赤ちゃんと握手するように袖をとおしましょう
顔・身体の保湿をしましょう
- 顔:口の周りはミルクやよだれなどで汚れやすく、頻繁にふくため乾燥しやすいので沐浴後だけでなくこまめな保湿が必要です。耳の付け根は乾燥により切れやすい部分です。耳の後や周辺も保湿しましょう。
- 身体:腕や足のくびれ・しわの間、手足の指もしっかり保湿します。指も1本1本ていねいに、指の股も忘れずに保湿しましょう。
おへその消毒をする
へその緒が取れた後のおへその部分は、外部からの感染のリスクが高い敏感な部分です、じくじく感がなくなるまで丁寧に消毒しましょう。
洋服をしっかりと着せたら、頭髪をととのえ、耳、鼻を綿棒でふきます
赤ちゃんの耳や鼻の掃除をするときは赤ちゃんが動かないようにしっかり固定しそうじします。
赤ちゃんの沐浴はどこでするのが良い?お風呂の蓋の上は?
ベビーバスを使用中の思わぬ事故につながる可能性があるので、お風呂の蓋の上での沐浴はやめましょう。温度調整がしやすいキッチン、お風呂場、洗面所など、赤ちゃんを安全にできる場所で沐浴しよう。
参照:Vol.537 ベビーバス使用中の思わぬ事故に注意しましょう!|消費者庁
赤ちゃんの沐浴の注意点とは?沐浴の頻度、時間、ミルクをあげるタイミングは?
沐浴をしないほうが良いときは?
- 機嫌が悪く、元気がない
- 熱がある(37.5℃以上)
- 食欲がない
- 下痢や嘔吐を繰り返している
- 咳やくしゃみがよくでるとき
- 膿をもった湿疹が強く出ていて医師にとめられている時
- 授乳の直前、直後など
機嫌が悪く、体力が低下している時には、体に余計な負担をかけることを避けるために、沐浴を控える事が望ましいです。沐浴は体温の調節や体力を奪われるため、元気がない時にはこれらが体に負担になります。また授乳の直前、直後ははき戻しをすることがある為沐浴しないよう注意が必要です。
沐浴の頻度・時間は?毎日入れる必要がある?
赤ちゃんは誕生後に明暗の区別ができる環境のもとで、「 昼間に起きている」ことを身に付けます。生後およそ2ヶ 月頃昼夜の区別ができるようになり、4カ月頃に持続する長い睡眠時間帯が夜間に集中するとともに、最長睡眠時間帯の開始時刻がほぼ一定になってくるので、沐浴をする1ヶ月目は時間に決まりはありません。ただし、赤ちゃんの沐浴は、毎日同じ時間に行うことで、生活リズムを整える効果があります。
沐浴前ミルクはいつあげたらいい?
授乳から30分以上沐浴までの時間をあけましょう。赤ちゃんの体を着替えや入浴の際に動かすことで、吐き戻しをしやすくなります。30分以上沐浴迄の時間をあけることで、吐き戻しの可能性を減らし、沐浴をより快適に行うことができます。
沐浴の入浴時間は?
湯船につかる時間は5分以内にし、沐浴全体での時間は10分以内にしましょう。長時間の沐浴は赤ちゃんにとって大きな負担となりますので10分以内で行うように心がけましょう。
沐浴の卒業後は?お風呂の入れ方と便利グッズを紹介
基本的なお風呂の入れ方
1.部屋と浴室内の温度を調整する(冬期は20〜25℃、夏期は外気温より4〜5℃低く設定する)
2.お風呂に必要なものを準備
必要なもの
- 赤ちゃんのバスタオル【赤ちゃんを包める大判サイズ】
- 清潔な肌着
- ベビーウェア
- 新しいおむつ
- 赤ちゃんのスキンケアグッズ
- 自分用の着替え
- 自分用のタオル
これらを事前に準備することで、お風呂上りの赤ちゃんのケアを効率的に行うことができ、赤ちゃんも親もストレスを感じることなく、楽しいバスタイムを過ごすことが可能になります。
3. 赤ちゃんの「待たせ方が重要」安全な待機場所を確保
赤ちゃんの安全な待機場所を確保することは、親が自分を洗っている間に赤ちゃんが安全に待機できるようにするために不可欠です。スペースがあるならハイローチェアやバウンサーにのせて脱衣所で待たせ、バスタイム中も視界内に保つことで、安全かつ快適に過ごすことが可能となります。
4. 自分の髪や体を洗う
赤ちゃんを濡れた状態で放置しないために自分の髪や体を先に洗います。その間は赤ちゃんは脱衣所で待機してもらう必要があります。赤ちゃんが寒くならないように、タオルで覆うなどして暖かく保ちながら、安心できるよう声かけを続けましょう。
5. 赤ちゃんの体を洗う
スポンジ等では赤ちゃんの肌を傷つけてしまう可能性があるので、赤ちゃんのデリケートな肌を洗う際は優しく手で洗いましょう。手のひらや指を使ってやさしく洗うことで、赤ちゃんの肌を清潔に保ちつつ、肌トラブルを避けることができます。
6.赤ちゃんと一緒にお風呂に入る
赤ちゃんとのお風呂は、湯温をややぬるめの37℃から39℃に設定しよう。赤ちゃんのお風呂時間は5分以内が目安。これは、赤ちゃんが長時間お風呂にいると体力を消耗し疲れてしまわない為です。
7.赤ちゃんと一緒にお風呂からでる
お風呂から上がったら、赤ちゃんを大きなタオルで優しく拭き、そのままタオルで包んで温度調整をしていた安全な場所に寝かせましょう
8.赤ちゃんのスキンケア
赤ちゃんの肌は大人より薄く、その薄くてデリケートな肌は、皮膚の中から水分が逃げだすのを防いだり、外部の刺激を防ぐバリア機能が未発達です。そのため、お風呂から上がった後には、スキンケア製品を使って赤ちゃんの肌に必要な水分や油分をしっかりと補給してあげることが重要です。
参照:Skin thickness in young infants and adolescents: Applications for intradermal vaccination
参照:日本香粧品学会誌 Vol. 38, No. 1, pp. 28–36 (2014)
参考:厚生労働省|推計外来患者数,性・年齢階級(5歳) × 傷病分類 × 病院-一般診療所・外来(初診-再来)別
9.赤ちゃんの着替え
赤ちゃんの着替えは、湯冷めを防ぐためにも温められた部屋で行いましょう。部屋を適度に暖めておくことで、赤ちゃんを快適に保ちながら、安全に着替えさせることができます。この簡単な対策で、赤ちゃんを湯冷めや風邪から守り、健やかな状態を維持できます。
生後1カ月頃〜首すわりの頃のお風呂の入れ方と便利グッズは?【生後1~3カ月】
お風呂の入れ方
首がすわるまでは、赤ちゃんの首の後ろをしっかりと支えてください。新生児期の赤ちゃんは筋肉が未発達なため、重い頭を自力で支えることができません。
便利グッズ
- ベビーモニター:ベビーモニターを使用することで、脱衣所以外の場所でも赤ちゃんに目を届かせることができます。例えば赤ちゃんがベビーベッドで寝ているときにお風呂に入る準備をしたりと、赤ちゃんをお風呂や脱衣所以外の安全な場所で待たせることができ、親は赤ちゃんから目を離さずにお風呂に入ることができます。
出典:amazon.co.jp
- クーハン:クーハンは、赤ちゃんを安全に寝かせて持ち運びができる簡易ベビーベッドとして非常に便利です。ベビーバスで赤ちゃんを洗った後すぐにクーハンを使用することにより、赤ちゃんを何度も移動させる必要がありません。
出典:amazon.co.jp
- 大判のバスタオル:赤ちゃんの体全体がしっかりと収まり赤ちゃんの肌に直接触れるものなので素材にこだわることが大切です。大きいサイズのタオルであれば、お風呂上りに赤ちゃんの体全体をすっぽりと包み込んであげることができ、全体的に体から水分を取り除くことができます。Poled のフード付きバスタオル大判サイズは無撚糸、100%コットンの天然繊維で作られており赤ちゃんの肌の事を考え作られています。
首すわり〜寝返り・おすわりの頃のお風呂の入れ方と便利グッズは?【生後3~6カ月】
お風呂の入れ方
首すわり〜寝返り・おすわりの頃から脱衣所に待たせるのではなく親が一緒にお風呂に入ることが多くなるのではないでしょうか?この成長段階の赤ちゃんは、動きが活発になり寝返りやハイハイなど動き回るので,浴室内にバスマットなどを敷き目の届く範囲で見守りましょう,おすわりが出来るようならバスチェアのような入浴補助機を使い一緒に入るか、脱衣所でバウンサーに座らせて待ってもらうのも良いですね
便利グッズ
- ハイローチェア: お風呂の準備中やお風呂後のケアの際に、赤ちゃんを安全かつ快適に待たせることができるハイローチェアは非常に便利です。高さ調節が可能なものを選べば、さまざまなシーンで活躍します。
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- バウンサー: バウンサーは、座り慣れるとブランコを漕ぐように上下に弾ませて遊ぶようになり、ひとりで遊んでくれるのでその間パパ・ママは自由な時間を過ごせます。
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おすわり〜つかまり立ちの頃のお風呂の入れ方と便利グッズは?【生後6カ月】
お風呂の入れ方
赤ちゃんが自分で座ることができるようになると、入浴補助機具(ハグベアーやバスチェア)が大変役立ちます。親が赤ちゃんを支えやすくなるため、お風呂の時間がより安全で楽しいものになります。
便利グッズ
- HUGBEAR | ハグベアー:HUGBEAR(ハグベアー)は、ワンオペでのお風呂の時間を快適にできる便利なアイテムです。特に赤ちゃんをお風呂の中で安定させる際に役立ちます。HUGBEAR(ハグベアー)を使う事で、赤ちゃんは快適にサポートされ、お風呂の中で安心して過ごすことができます。
- お風呂用バスチェア:お風呂用バスチェアは、赤ちゃんをお風呂の中で安全に待たせるのに非常に便利なアイテムです。座って待たすことが出来るので赤ちゃんを両手で洗ってあげることが出来ます。
出典:amazon.co.jp
参照:HUGBEAR | ハグベアー ベビーバス お風呂補助具
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よくある疑問
沐浴はベビーバスなしでもいいですか?
ベビーバスがなくても、他の代用品を使用して赤ちゃんの沐浴は可能です。たらいやプラスチックの衣装ケースをはじめ、代用できるものは多数あります。重要なのは赤ちゃんの安全性と快適さを第一に考え、適切な代用品を選び、清潔に保ち、安全に使用することです。
シャワー浴って何?
シャワー浴は、シャワーマットの上で赤ちゃんにシャワーをかけながら行う方法です。シャワー浴の最大の利点は、シャワーの水流を利用して赤ちゃんの身体をしっかりと洗い流せることです。これにより、石鹸やシャンプーのすすぎ残しを抑えられ、赤ちゃんの肌トラブルを減らすことができます。
赤ちゃんの耳は沐浴中おさえた方が良いですか?
沐浴中の赤ちゃんの耳への過剰な対策は必要ありません。赤ちゃんの耳は、自然に水の侵入を防ぎますし、少量の水が入ったとしても自然に蒸発します。
まとめ
赤ちゃんの沐浴は生後初日から始まります。沐浴の卒業は生後1ヶ月検診時に医師の許可を得てからお風呂に入るようにしましょう。
沐浴は、赤ちゃんの身体を優しく洗い、保湿を念入りにすることが重要です。キッチンや洗面所など安全で温度調整しやすい場所で行い、毎日同じ時間に沐浴を行うことで生活リズムを整えられると理想的です。
沐浴後、赤ちゃんが成長するにつれ、今回紹介したお風呂の入れ方や便利なグッズを使いながら、親子で楽しいバスタイムを過ごしましょう。